初版'10年6月12日
更新'10年6月27日
ミッションO/H(RS5R30A)


走行会はいつも中盤になると3速、4速が鳴き始める。
走行後、帰るときには鳴かなくなっているのだが、前回の走行会は違った。
4速が待ち乗りの3000rpm程度のシフトチェンジでもガリガリ言うのだ。
整備士Y.K氏に相談。ASSY交換ではなく安く済むであろうオーバーホールをすることとなった。
もちろん自分出じゃないよw  写真は整備士Y.K氏の提供。助かります。


Z32のミッションはR30系。32,33GT-Rと同じ系統である。
Z32のミッションケースは専用設計だとか。中身は基本的に同じらしい。(というが、部品番号ちがうぞ?)

GT-RではR33から(95年)シンクロの構成部品が対策されている。
私のZ32は97年式なので、この辺対策後のミッションなのだろうか?


ミッションオイルを抜いたらかけらが出てきたとのこと。
ということで残念ながら対策前のスプリングキータイプであった。まさにこのタイプの弱い部分が壊れた形である。
見事3つのスプリングが吹っ飛んでグラグラになっていたとのこと。


分解するに当たっていくつかSSTが必要らしいが、整備工場にそんなのないわけで
溶接してみたり、熱してみたりして抜いたとのこと。

大変だ。で、全バラ完了であります。


で、これが3速、4速のシンクロ機構です。
ミッションの構造がわかっていない私ですが説明していきますw

写真一番左が4速。次の真鍮の部品が4速のシンクロナイザーリング(ボークリング?)。
次の真ん中の部品が・・・ハブ? で、奥に転がっている内側にギアが刻まれているのがスリーブ?
スリーブはニュートラル時にはハブにかぶさっていて、まさに上の上の写真のように両サイドに真鍮の部品が見える状態。
シフトチェンジでスリーブが4速側にスライドして行くと、真鍮の部品の内側に細かい溝が切ってあり
4速のテカテカに光っているところと摩擦が起こり、ハブと4速の回転数が同期
最後にスリーブが4速にかぶさるまでスライドするとギアが入ることになるようだ。

それはさておき、一番右が3速ギア。左に移って真鍮の部品が3速のダブルコーンシンクロで
分解すると、アウターボーリング、シンクロコーン、インナーボーリングの3部品になっている。

さて、ここで対策のされたシンクロ機構に交換できるかーの時間ですw
対策後、対策前でミッションの構成部品の部品番号が変わっていて、対策後に変更する場合は多数部品を交換する必要がある。
もしかしたら、対策部分だけの交換で行けるのでは?と思いー
とりあえずハブの部分を調達してもらった。写真後ろの横になっている部品。
これはバッチリ寸法があって使えそうだとのこと。
しかし、真鍮の部品が合わないので次にこれを調達する必要がある。
ただ、ここで気になるのが、GT-RはR32前期と後期で4速のシンクロが強化され、シンクロナイザーリング(ボークリング?)
の内径が大きくなり、そこにあたる4速側の外形が大きくなって、摩擦部分の面積が大きくなっているのだ。
同じR30系ミッションであるZ32はどの段階でそれが適応されているのか? などの不安事項が・・・

シンクロ機構対策後のミッションでも3速、4速の真鍮の部分は変わっていないと思っていたので、違うとなると
何処まで違うのか、このまま部品を少しずつ調達して、結局全交換だと後期ミッションASSY交換より高くなってしまう。

ということで、今回はこのシンクロ機構を対策品への変更をあきらめました〜

次壊れてたときは、オートギャラリー横浜のSSミッション690(←これはGT-R用)を載せたいが、Z32でもできるのかな?
このSSミッション690は、純正加工で1速、4速シンクロをダブルコーン化してしまうというもの。

と、いうことで、実はまだミッションの組み立てはまだ終わっていない。
整備士Y.K氏曰く・・・「おれに組めるかな?」と弱気発言w 分解したんだから組んでもらわないとねw

あと、バックランプが付かないため、リバーススイッチの故障が疑われていた。で、みてもらったのだが、
スイッチを置くまで押していくと、途中導通するが最後まで行くと断線するらしい。つまり故障。
部品交換をお願いした。

'10/6/27
ということで、翌週に車は帰ってきました。
交換したシンクロの部品が手元に来たので、なんとなく解説。


4速のシンクロナイザーリング。

内側に溝が切ってあり、これが摩擦面で、4速ギアの摩擦面に押し付けられ回転が同期する。
これがシングルコーン。


これが4速のダブルコーンのシンクロ。
こいつを分解すると・・・

3ピースになっている。
左からアウターボーリング、シンクロコーン、インナーボーリング。

シンクロコーン。4箇所飛び出しているところが3速ギアの穴に入る。
この部品はギアと常に一緒に回っているが、フローティングになっている。
そして外側の面がアウターボーリングと摩擦し、内側の面がインナーボーリングと摩擦する。
なので摩擦面がシングルコーンの約倍の面積となるので、ダブルコーンの方が耐久性が高い。

これがインナーボーリング。
溝がきってあるところが摩擦面。溝が無いところのスリットと・・・

このアウターボーリングの飛び出しているところが合わさるので、
アウターボーリングとインナーボーリングは常にセットで回る。
アウターボーリングがスリーブにより3速側に押し付けられると、
アウターボーリングとインナーボーリングにシンクロコーンが挟まれて、3速が同期してギアが入る。


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